生活習慣病
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生活習慣病について Lifestyle disease
生活習慣病は通常、40代から60代にかけて発症することが多く、かつては成人病として知られていました。この名称が生活習慣病に変わった背景には、食生活、身体活動、アルコール摂取、たばこなどの生活習慣が病気の発症や進行に大きく関与していることが広く認識されたからです。
生活習慣病はゆっくりと進行し、症状が明らかになる時にはすでに進行が進んでいることがあり、治りにくく他の病気と併発しやすい傾向があります。

こんな症状はありませんか?
- 健康診断や人間ドックで
指摘された方 - 間食が多い方
- 急に体重が増えている方
- 濃い味や脂っこいものが
好きな方 - 血糖値、血圧、脂質が
高くなっている方 - 運動をほとんどしない方
- 朝食をとらない方
- 喫煙や飲酒の習慣がある方
早めの対策が重要です

日本では生活習慣病が増加しています。その一因として、欧米的な食事の普及が挙げられます。生活習慣病は初期段階では自覚症状がないことが多く、気づかずに進行し重篤化するケースもあります。
生活習慣病は脳や心臓の疾患につながることが多く、一部では重大なリスクを引き起こす可能性もあります。そのため、定期的な健康診断を受けて自身の健康状態を把握し、異常が見つかった場合は早期に治療を受け、生活習慣を見直していくことが重要です。
当院が得意とする
生活習慣病の治療

糖尿病
糖尿病とは、血糖値が上がることによって、動脈硬化が進行する病気です。将来的に心筋梗塞、脳梗塞、足の血管の閉塞、腎臓障害、目の障害などの合併症の原因となります。また、免疫が低下し感染症に弱くもなります。
長寿社会となっている現代、健康寿命を延ばすためにも、治療をする必要があります。
代表的な糖尿病の症状
- 喉が渇きやすいことがある
- 手足がしびれることがある
- 全身がだるく、疲れやすい
- こむらがえりがしやすく、足がよくつる
- 食べているのに体重が減少している
- 尿のにおいが気になる
- 頻尿で、回数も量も多いことがある
- 視力が低下している
糖尿病の種類
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1型糖尿病
(糖尿病全体の2~3%)1型糖尿病になると、インスリンが十分に分泌されないため、自己注射が必要です。インスリン注射は血糖値を安定させる役割がありますが、注射を怠ると生命にかかわるリスクがありますので、きちんと管理することが重要です。
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2型糖尿病
(糖尿病全体の90%以上)2型糖尿病になると、インスリンの作用や分泌量が低下します。肥満や運動不足による生活習慣の影響が大きいですが、遺伝的要因も関与しています。糖尿病の9割程度がこのタイプであり、食事療法、運動療法、薬物療法などを用いて管理していきます。
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妊娠糖尿病
妊娠中に糖代謝異常が見られる場合、妊娠糖尿病の可能性が疑われます。通常、出産後に解消することが多いですが、血糖値が高いままの状態が持続することもあります。
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その他
膵臓や肝臓などの内臓疾患や、薬剤の影響、遺伝子の異常なども糖尿病の発症要因となり得ます。
糖尿病の三大合併症
01糖尿病網膜症(目の合併症)
「糖尿病網膜症」は、血糖値が高い状態が持続することで、網膜の血管がダメージを受け、血流が悪化し、酸素や栄養分が不足することによって引き起こされる疾患です。この病態が進行すると、網膜剥離や出血が発生し、時には白内障も引き起こすことがあります。
最悪の場合、失明に至ることもあり、日常生活に深刻な影響を及ぼします。糖尿病網膜症は自覚症状がないことが特徴であり、視力の低下を感じていなくても、実際に進行していることが少なくありません。実際に、毎年3000人もの人が失明しているというデータもあります。
02糖尿病性神経障害
糖尿病性神経障害は、手や足の末梢神経がダメージを受ける疾患です。この病気では、傷ややけどに気づきにくく、進行してから気づくことが多く、また手足のしびれや痛みが生じることがあります。
さらに、発汗量が異常になったり、胃腸の機能が悪化して下痢や便秘が増えることがあります。立ちくらみや勃起不全(ED)などの症状も生じることがあります。これらの症状は進行すると日常生活に大きな影響を及ぼすことがあります。
03糖尿病性腎症
糖尿病性腎症は、腎臓の糸球体という部位が毛細血管にダメージを受けることで、血液の老廃物を除去する能力が低下し、尿を作る機能が影響を受ける疾患です。この病態が進行すると、尿の作成に必要な機能が悪化し、最終的には人工透析という方法で血中の老廃物を除去する治療が必要になる場合があります。
国内には30万人以上の人々が人工透析を受けており、その数は増加の一途をたどっています。人工透析が必要になると、数日おきに通院する必要があり、生活に大きな影響を与えることもあります。
糖尿病治療のための当院での取り組みや機器の紹介
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The Lab 001
当院では、The Lab 001という医療機器を使用しております。当日診察時にHbA1cをお伝えすることが可能です。
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リブレ
保険適応はインスリンやGLP1製剤を使用している方に限りますが、500円玉くらいの大きさのセンサーを腕に付けることによって、24時間連続的に血糖値を簡単にモニターすることができます。従来の指先からの血糖測定と違い、痛みから解放されます。センサーには非常に短い針がついてますが、接着時の痛みはわずかで、2週間つけ続けることが可能です。インスリンの単位の調整等に非常に有効です。
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インスリン製剤や
GLP1製剤血糖値を下げながら、体重減量にも効果があるGLP1製剤(個人差はあります。)やインスリン治療にも対応しております。

甲状腺疾患
甲状腺疾患とは、甲状腺の異常や障害によって引き起こされるさまざまな症状の総称です。具体的な疾患には、甲状腺ホルモンの過剰分泌による甲状腺機能亢進症や、分泌不全による甲状腺機能低下症、急性・慢性甲状腺炎、単純性甲状腺腫、甲状腺がんなどがあります。甲状腺は首の前部、のどぼとけの直下に位置し、縦4.5cm、横4cmの大きさを持つ臓器です。
当院では、特にバセドウ病や橋本病の患者様が多く、定期的に通院されています。
バセドウ病と橋本病
自己免疫疾患とは、本来、身体に侵入した異物に対するべき免疫反応が、誤って正常な自己の細胞を異物と誤認し、免疫反応を起こす病気です。バセドウ病と橋本病は、どちらもこの自己免疫疾患に分類されます。
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バセドウ病
甲状腺を異物とみなして産生された抗体(TSHレセプター抗体)が、甲状腺を刺激し続けることで甲状腺ホルモンが過剰に分泌される状態をバセドウ病と言います。これにより、身体の新陳代謝が極端に活発になります。
この病気が進行すると、「寝ていてもジョギングしている」と例えられるほど身体の機能が活発になり、様々な自覚症状が現れます。しかし、症状が徐々に進行するため、自覚症状があっても病気であると気づくまでに時間がかかり、重症化するまで我慢してしまうことがあります。 -
橋本病
甲状腺を異物とみなして産生された抗体(抗サイログロブリン抗体、抗マイクロゾーム抗体)が甲状腺自体の細胞を攻撃し、破壊していく病気が橋本病です。
この結果、甲状腺の細胞が破壊されると甲状腺ホルモンの分泌が減少し、甲状腺機能が低下します。身体の新陳代謝が停滞し、バセドウ病とは対照的な症状(身体機能の低下)が現れます。橋本病では、自覚症状が現れない場合もありますが、治療の必要性はあります。
治療について
バセドウ病は 内服・アイソトープ治療・手術の3つの選択肢があります。
どの方法も長所と短所があります。特に女性の場合は不妊治療・妊娠・出産・授乳などのライフイベントがありますので、よく話をさせていただいた上で治療方針を決めさせていただいています。
私が甲状腺治療で一番大切と思っていることは、患者さま一人ひとりに、治療の選択肢を理解していただき、治療方針を決めていくことではないかと思っています。